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Kp指数とは?オーロラ予報の見方と「Kpいくつで見える」の目安

公開 2026-11-01 更新 2026-11-01

この記事では、オーロラ予報の「Kp指数」の意味と読み方がわかります。 「Kpいくつで見えるか」は場所で変わり、ラップランドなどでは低いKpでも見え、北海道ではまれです。 予報は「27日予報→3日予報→当夜のOVATIONと雲」の順に確かめるのが基本です。

Kp指数とは?0〜9で表す「地磁気の乱れ」

Kp指数は、地球の磁場がどれだけ乱れているかを表す数字です。 3時間ごとに、磁力計(磁場を測る機械)の揺れの大きさから求めます。 値は0〜9で、1は静か、5以上は「磁気嵐」です。 NOAA SWPC(米国の宇宙天気予報センター)のリアルタイム値は、8か所の磁力計からの推定値です。 公式の確定値は、国際的な学会(IAGA)が認めたGFZ(ドイツ地球科学研究センター)のKpです(出典:NOAA SWPC、GFZ)。

もとになるのは、各観測所の「K指数」です。 K指数は1か所の乱れを表し、数字が1増えるごとに乱れの幅が大きく増える目盛りです。 Kpは13の観測所のK指数を標準化して平均したものです(出典:NOAA NCEI「Geomagnetic Indices」)。 磁場が大きく乱れるほど、オーロラは明るく、低い緯度まで広がります。

Kpいくつで見える?答えは「地磁気緯度」で変わる

地磁気緯度とは、地球の磁石の軸を基準にした緯度です。 オーロラの見え方は、地図の緯度ではなく地磁気緯度で決まります。

NOAAによると、オーロラ帯の南の端(地磁気緯度)はKp0で約66°です。 Kpが1上がるごとに約2°南へ動き、Kp9で約48°になります。 ただし「おおよその平均」で、厳密に成り立たない日もあります(出典:NOAA SWPC「Tips on Viewing the Aurora」)。 明るいオーロラは条件がよければ、最大 約1000km離れた場所からも見えます(出典:NOAA SWPC「Aurora - 30 Minute Forecast」)。

行き先別:オーロラが見える目安のKp(極光ナビの計算値)

下の表は、極光ナビの計算値(双極子近似)で、公的な観測値ではない目安です。 双極子近似とは、地球の磁場を1本の棒磁石とみなす計算方法です。

行き先 地磁気緯度 地平線に見える目安Kp 真上の目安Kp
トロムソ 67.5° 0 0
アビスコ 66.4° 0 0.1
ロヴァニエミ 63.6° 0 1.4
レイキャビク 68.8° 0 0
フェアバンクス 65.6° 0 0.4
イエローナイフ 68.5° 0 0
稚内 37.6° 8.6 9.7
陸別 35.8° 9.0 9.9(上限)

陸別の地磁気緯度は、名古屋大学 ISEE の資料では約36.9°で、この近似とは約1°ずれます(出典:名古屋大学 ISEE 研究集会資料)。 表の「0」は、静かな夜でもオーロラ帯に入りうる位置という意味で、出る保証ではありません。 地磁気緯度は近似の計算値なので、他の資料の値とずれることがあります。 レイキャビクがトロムソより高く出ているのも、この近似での値です。

ロヴァニエミで今夜見えそうか(0〜100の見えやすさ)は、ロヴァニエミの観測地ページで見られます。

フィンランドやノルウェーではKpが低くても見える

フィンランド気象研究所によると、暗く雲のない夜のうち、見える割合は次のとおりです。

同研究所は数字のKp基準を示さず、場所ごとの「しきい値」を超えると出やすいと説明しています(出典:Finnish Meteorological Institute「Auroras in Finland」)。

ノルウェー宇宙天気センター(トロムソ大学)によると、北ノルウェーの磁場は地球全体の状態と大きくずれることがあります。 オーロラが急に明るくなる「サブストーム」は、3時間より短い時間で起きます(出典:NOSWE / UiT)。 3時間ごとのKpだけで、出る・出ないは決まりません。

日本(北海道)でオーロラが見えるKpは?

「北海道ではKpいくつ以上」という一律の数字は、公的な資料では見つかりませんでした。 1つ目の理由は、地磁気緯度が低いことです。 上の表のとおり、NOAAの平均(Kp9で約48°)より、ずっと南です。

2つ目の理由は、Kpだけで決まらない例があることです。

2024年5月の大磁気嵐 この嵐は5月10日(米国東部時間)に最大のG5に達し、NOAAは「今世紀でおそらく最強」としています(出典:NOAA SWPC、NOAA)。 5月11日には、日本の広い範囲でオーロラが写真に撮られました。 発光が高度 約1,000kmまで達したため、低い緯度からも見えたそうです(出典:国立極地研究所ほか 発表資料)。

規模の大きくない磁気嵐で見えた例 北海道大学とOISTは、2024〜2025年の5回の例を発表しました。 どれも太陽風の密度が通常の約10倍と、非常に濃い日でした。 発光は高度500〜800kmに達していました(出典:北海道大学 プレスリリース 2026-05-21)。

なお、NICTの宇宙天気予報の「地磁気」のレベルは、Kpではありません。 茨城県柿岡のK指数を5段階で表したものです(出典:NICT 宇宙天気予報)。 KとKpは混ぜて読まないようにしましょう。

Kpと磁気嵐の大きさ(G1〜G5)の対応

NOAAは、磁気嵐の大きさをG1〜G5の5段階でも表します(出典:NOAA SWPC「NOAA Space Weather Scales」)。

Gスケール Kp 11年の周期での回数(日数)
G1(Minor) 5 1700回(900日)
G2(Moderate) 6 600回(360日)
G3(Strong) 7 200回(130日)
G4(Severe) 8(9-を含む) 100回(60日)
G5(Extreme) 9 4回(4日)

かっこ内は、その強さに達した日数です。 「11年の周期」は、太陽の活動が強まって弱まる周期です。

オーロラ予報の見方:27日予報・3日予報・OVATIONの使い分け

27日予報:旅行の日程えらびの目安

27日予報には、日ごとの「最大Kp」の予報が並びます。 毎週月曜 15:00 UTC までに発表されます(出典:NOAA SWPC「27-day Outlook」)。 UTCは世界の基準時刻で、日本時間はUTC+9です(出典:NICT「日本標準時」)。 月曜15:00 UTCは、日本時間の火曜0:00です。

予報は、太陽が約27日で1回転し、活動的な領域がまた地球の正面に戻ることにもとづきます(出典:NOAA SWPC「Forecasts」)。 ただし、何週間も先の予報は難しいとされます(出典:NOAA NCEI)。 日程は「目安」として使い、Kpだけで決めないのが安全です。

3日予報:前日〜当日の判断(UTCと「4.67」の読み方)

3日予報は、3日分のKpを3時間ごとに出す文章の予報です。 00:30 と 12:30 UTC の12時間ごとに発表されます(出典:NOAA SWPC「3-Day Forecast」)。 日本時間では 9:30 と 21:30 です。

「NOAA Kp index breakdown」の表には、00-03UT〜21-00UT の8枠が3日分並びます。 UTはUTCとほぼ同じ意味の世界時です。

時刻の読み方:日本時間なら、UTに9時間足します。 たとえば「12-15UT」は、日本時間の21〜24時です。 旅行先では、その国の時差で直してください。

小数の読み方:Kpは1/3刻みの数字です(出典:NOAA NCEI)。 そのため「4.33」は「4+」、「4.67」は「5-」のことです。

たとえば2026年11月1日 12:30 UTC 発表分には、次の一文がありました。 「The greatest expected 3 hr Kp for Nov 01-Nov 03 2026 is 4.67 (NOAA Scale G1)」 3日間で最も高い3時間のKpは4.67(5-)で、G1相当という意味です(出典:NOAA SWPC 3日予報テキスト)。

OVATION:「今、外に出るか」

OVATIONは、オーロラの位置と強さを示す地図の予報です。 ジョンズ・ホプキンス大学の研究所が作ったモデルで、NOAAは2020年に新しい版を運用に入れました。 先読みは「30〜90分先」で、地図の「確率」はオーロラの強さから出した推定です(出典:NOAA SWPC「Aurora - 30 Minute Forecast」)。 なお、NOAAの予報図にあった見える南の限界の線「ビューライン」は、2026年5月に削除されました(出典:NOAA SWPC「Aurora - Tonight and Tomorrow Night」)。

Bzと太陽風の速さ:「いま出るか」の手がかり

Kpは3時間ごとなので、「今」を見るには太陽風のデータを使います。

Bzは、太陽風が運ぶ磁場の南北の向きです。 南向き(マイナス)の磁場は、太陽風のエネルギーを地球の磁気圏へ運びやすくします。 磁気嵐には、この南向きの磁場と、高速の太陽風が数時間以上続くことが重要とされます(出典:NOAA SWPC「Geomagnetic Storms」)。 NICTも、南向きになるとオーロラが明るくなると説明しています(出典:NICT オーロラ・アラート)。

太陽風の速さは、ふつう約400km/sです。 コロナホール(太陽の暗い領域)からの高速の風は、500〜800km/sになります(出典:NOAA SWPC「Solar Wind」)。 NOAAのグラフではBzがマイナスの部分に色がつきますが、「何nTならよい」という公式の基準は確認できませんでした(出典:NOAA SWPC「Real Time Solar Wind」)。

Kpが高くても見えない条件(雲・月明かり・暗さ)と寒さ対策

Kpが高くても、空の条件が悪いとオーロラは見えません。

(出典:NOAA SWPC「Tips」、NOAA SWPC「Aurora」、NOAA NCEI)

オーロラを待つ夜は冷え込むので、長く外にいるつもりで服装を整えましょう。 凍傷の初期サインは、チクチクする感じや、感覚がなくなることです(出典:Terveyskirjasto「Paleltuma」)。 服装と持ち物はオーロラ旅の服装と持ち物にまとめています。

オーロラ予報を確かめる手順(チェックリスト)

  1. 日程を決めるとき:27日予報 日ごとの最大Kpを目安にし、暗い時間の長さと月明かりも合わせて考えます。
  2. 前日〜当日:3日予報 3時間ごとのKpを日本時間・現地時間に直し、夜の枠の値を見ます。
  3. 当夜:OVATIONと雲 OVATIONで30〜90分先を見て、雲の予報で晴れ間を確かめます(極光ナビで雲量を見る)。

極光ナビは何を使って判定している?

極光ナビの「見えやすさ」は、磁気活動×暗さ×晴れ×月明かりで出すスコアで、確率ではありません。 磁気活動は、上の表と同じ「地平線・真上の目安Kp」をKp予報と比べ、磁場 Bz と太陽風速度も表示しています。 地図の「いま見えていそう」はOVATION・暗さ・雲量で判定し、OVATIONが取れないときはKpから推定します。

極光ナビ:Kp予報・雲量・暗さ・月明かりをまとめて判定し、今夜の見えやすさを表示します。

まとめ

参考